KAAZ LSD

KAAZ LSDについて

KAAZ LSDには、クラッチプレートとプレッシャーリングが内蔵されており、プレッシャーリングがクラッチプレートを加圧する事によって作動し、非常に強力なロック性能と、優れたドライビング・レスポンスを提供します。
LSDは、車体が直進している時、または左右の駆動輪の回転数が同じ場合、標準的なデフとして機能します。
一旦、左右の駆動輪の回転数に差動が生じた瞬間、LSDの中央に配置されたクロスシャフトが、プレッシャーリングを押し広げ、クラッチプレートを加圧します。
全てのクラッチプレートが完全に噛み合った時、左右の駆動輪はロックされ、エンジンからのトルクは等しく両輪へ伝達されます。

KAAZ LSDの種類

KAAZには、2種類（1.5WAYと2WAY）のLSDがあります。プレッシャーリングに2種類の異なるカム溝を設定し、加速時と減速時で異なる効きを選択する事が可能です。
レースの種類、スキル、レベルに合わせて、適切な種類（1.5WAY、もしくは2WAY）を選択することにより、パフォーマンスを最大限発揮できます。

1.5WAY デフ

基本的に、ほとんどのモータースポーツには1.5WAYデフを推奨しています。
加速時には性能が最適化され、その後の減速中には軽い効きとなります。
これはロードレースで究極のトラクションを発揮します。

2WAYデフ

一般的にドリフト競技ではデフをアナログ（ON、またはOFF）に近い状態で完全にロックさせる必要があるため、高いイニシャルトルク、高いカムアングル、最大ロック率を発揮するためのクラッチプレート配列の組み合わせが良い結果をもたらします。
KAAZ 2WAY LSDではエンジンブレーキ（ギヤの噛み合いがスロットル・オフ側）の状態の時も加速時と同様のロック状態を提供し、車体の挙動変化（スイッチバック）をできる限り予測可能な状態に近づけます。
今までギヤ式のLSDでは左右の駆動輪を完全にロックさせる事ができなったため、後輪への動力伝達が不規則となり、膨大な熱量を発生させる場合がありました。
KAAZ の2WAY LSDはシフト中であっても後輪に対する横へのスライド・コントロールを維持する様に設計されており、よりドリフト走行に適したオプションとなっています。

スロットルONの状態：矢印はスロットルからの入力に合わせて、クラッチプレートに加えられる力（プレッシャーリングが広がろうとする力）の量を表しています。
基本的に、スロットルの開度、プレッシャーリングのカム角度、イニシャルトルク、およびクラッチプレートの配列が同じである限り、1.5WAY、2WAY共に同じ効きとなります。
スロットル低開度（もしくは低トルク）時はLSDに伝達される動力が小さい為、クラッチプレートに加えられる力も小さくなります。
スロットル高開度時は、クラッチプレートを加圧する力が大きくなる為、クラッチプレートが噛み合う力も大きくなり、スリップ（=滑り量）をリミテッド（=制限、または制御）する力が増加します。

スロットルOFFの状態：スロットルからの入力がなく、車が減速している状態では、1.5WAYと2WAYの違いが表れます。
2WAYのLSDは加減速側共に、プレッシャーリングのカム角が同じである為、トルクの入力量に応じて、スリップ（=滑り量）をリミテッド（=制限、または制御）する力が均等に作用します。
1.5WAYのLSDは、加速側と減速側でプレッシャーリングのカム角が異なる為、加速時に対して減速時の効きは弱くなります。